本研究の目的は徒手筋力計(HHD)を柱またはベッド脚に固定用ベルトを用いて固定した方法での筋力測定の信頼性を検討することである。対象は健常成人10名(男性5名,女性5名),20脚とした。2名の検者が膝関節屈曲・足関節背屈・底屈・外がえし・内がえしの最大等尺性筋力を各2回測定した。統計処理は1名の検者の測定から検者内信頼性を,2名の検者の側定から検者間信頼性を級内相間係数にて算出した。結果,級内相間係数(検者内ICC1.1, 1.2/検者間ICC2.1. 2.2)は膝関節屈曲0.86, 0.94/0.84, 0.96,足関節背屈0.94, 0.97/0.84, 0.97,足関節底屈0.98, 0.99/0.97, 0.98,足関節外がえし0.90, 0.94/0.92, 0.98.足関節内がえし0.80, 0.91/0.91, 0.97であった。これより本法は高い検者内・検者間信頼性を有し,臨床的に有用な測定方法となりうると考える。
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