抄録
本研究の目的は,高齢者とのコミュニケーション演習後の看護師役学生のレポートを分析することで,高齢者とのコミュニケーションを通しての学びを明らかにすることである。本研究においての高齢者とは,60代後半から80代の4名の高齢者であり,15名の学生が看護師役となり高齢者との目的をもったコミュニケーションをとった。分析の結果,【高齢者の特徴を踏まえた対応】,【アドバイスによる学び】,【自己の振り返り】,【高齢者の生活や特徴の学び】,【実習に向かう姿勢】の5カテゴリーとそれに含まれる9のサブカテゴリーが抽出された。看護学生は,リアリティのある状況で高齢者とのコミュニケーションを体験したことで,臨場感のある学びができていた。さらに自己の振り返りができ,臨地実習に向けての課題を見出せていた。