日本保健科学学会誌
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脳性麻痺児におけるパーソナルコンピューター用4種のポインティングディバイスの操作効率の相違
小畑 順一杉原 素子
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2012 年 15 巻 2 号 p. 89-100

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抄録

本研究は,痙直型両麻痺児に操作の可能性があるパーソナルコンピューター用のポインティングディバイス(Pointing Device;以下PD)に属するマウス,トラックボール,タッチパッド,ジョイスティック(以下4種のPD)の操作効率の相違を検証する目的で行った。方法は,35名の痙直型両麻痺児に4種のPDを使用し,平仮名の入力を測定課題とし正誤の入力文字数を分析した。その結果,4種のPD操作による正確な入力文字数の検者内信頼性は高かったが誤入力文字数は,級内相関係数による検証が該当しなかった。本施行のマウスとトラックボール間の正確な入力文字数をSteel-Dwass法による多重比較で検証した結果,有意差が認められなかった(P>0.05)。つまり,Erhardt発達学的把持能力評価の6検査項目で,上肢の発達月齢が8か月以上の能力を示す痙直型両麻痺児では,正確な入力文字数の指標より,マウスおよびトラックボールが同程度の操作の効率性を示し実用性が高いと考えられた。

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2012 日本保健科学学会
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