日本保健科学学会誌
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人間作業モデルを用いた初年次教育プログラムの開発に関する予備的研究
岩田 美幸籔脇 健司京極 真
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2014 年 16 巻 4 号 p. 210-219

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抄録

本研究の目的は,人間作業モデルを用いた初年次教育プログラムを試行し,学生の学習時間と学習に対する認識,健康感,情動知能に対する効果について検討することである。対象は,A大学でキャリア開発Iを履修し,回答に不備のなかった作業療法学科1年生41名(18.2±0.5歳)であった。人間作業モデルを活用した講義の全7回では,スチューデントスキル,キャリアデザインの構成要素を,意志,習慣化,遂行能力の概念を用いて説明し,グループワークや個人課題を行い,学生の理解を促した。効果測定には,作業質問紙,SF-36,EQSを用いた。その結果,前後比較では,作業質問紙の学習時間,学習に対する認識の重要度,遂行度とEQSの全体得点が有意に増加した。したがって,人間作業モデルを用いた初年次教育プログラムの試行は,スチューデントスキルについて,時間管理の変化と学習に対する認識が向上することが確認され,社会生活で重要な情動知能の効果が確認された。また,キャリアデザインでは,将来の動機付けとしてOQを用いることで,教員との協働を促し,大学生活の自己目標を考えることができた。

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2014 日本保健科学学会
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