日本保健科学学会誌
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介護予防事業参加者を対象とした運動機能評価と基本チェックリストとの関連について
万行 里佳山田 拓実新井 武志有田 真己
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2017 年 19 巻 4 号 p. 195-203

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抄録

本研究は,介護予防事業参加者の体力測定結果と基本チェックリスト(以下,基本CL)の関連を調査するために,事業参加中の女性73 名を対象として,体力測定結果(5 m最大及び通常歩行時間,開眼片足立ち,Timed Up & Go Test,握力)と基本CL の25 項目との相関比及びカットオフ値を算出した.その結果,基本CL 項目の「椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか」,「(ここ2 週間)以前は楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる」,「(ここ2 週間)自分が役に立つ人間だと思えない」と体力測定項目の5 m 最大歩行時間に相関がみられ,カットオフポイントは,すべて3.7 ─ 3.8 秒であった.結果より,介護予防事業女性参加者の5 m 最大歩行時間の目標値は4 秒未満が妥当であると考えられ,また,5 m 最大歩行時間の改善は運動機能だけではなく,多面的な影響があることが示唆された.

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2017 日本保健科学学会
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