日本保健科学学会誌
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障害者スポーツの参加行動と障害理解関連因子の関係性
塩田 琴美徳井 亜加根
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2017 年 20 巻 2 号 p. 63-74

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抄録

目的:本研究は障害者スポーツの参加行動と障害理解に関連する因子の関係性を明らかにすることを目的とした. 方法:対象は220 名とし,障害者スポーツの参加行動と障害理解関連因子の関係性について,パス解析を行った(Amos, Ver21, IBM).結果:障害者スポーツの参加行動別の結果では,「今後も実際の行動に移す意思はない」,「興味がない」と回答した割合が,観戦行動が72.2%,体験行動が76.8%,ボランティア行動が71.8%となった.さらに,パス解析の結果,体験行動の予測因子として,2020 年オリンピック・パラリンピック招致決定後の意識変化があげられ,体験行動の1 因子で観戦行動およびボランティア行動へは高い値を示した(χ2(10)= 7.98,P = .631,CFI = 1.00, RMSEA = .00).結論:障害者スポーツの参加行動の中でも,体験行動は自ら楽しみながら直接的に障害者や障害者スポーツと関わりをもつことができると考えられる.さらに,オリンピック・パラリンピック招致による意識変化因子の影響も受けることから,体験行動を窓口として,観戦行動やボランティア行動が促進されることが期待できる.

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2017 日本保健科学学会
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