抄録
本研究では退院支援に関する看護師個々の知識の状況、実施している方法・内容について明らかにすることを目的として質問紙による郵送調査を実施した。
対象は日本乳癌学会の「認定・関連施設」207 施設において乳がんの手術後ケアを行っている病棟に勤務する 1,226 名である。看護師の平均年齢は 34.36 ± 8.56 歳、看護師経験平均年数は 12.0 ± 8.35 であった。
退院支援の時期は「手術直後から手術後 2 ~ 3 日」が 766 名(62.4%)で多かった(複数回答)。退院支援に関して良く知っている知識は、「手術による創の観察方法」452 名、「外来通院の必要性」417 名、良く行っている退院支援は、「手術をした側の運動方法」842 名(68.6%)、「重たい荷物を持たない理由と方法」762 名であった。乳腺外科の病棟経験が 5 年以上になると有意に知識が増え実施していることが明らかになった(p< .001)。