抄録
序論:脳卒中後失行に対する作業療法はエビデンスの曖昧さや個別性への対応に課題があり,本邦でも評価と介入は多様である.目的:本研究は,本邦における失行への作業療法実践を分析し,実践内容と臨床的課題を明らかにすることを目的とした.方法:2000~2024 年に公表された国内の文献から生活行為に焦点を当てた作業療法実践を抽出し,作業療法士3 名で分析した.結果:採択文献は18 件であった.構成的評価はSPTA,非構成的評価は作業観察が多く,練習の方略を明記した報告は少なく,枠組みのない反復練習が大半であった.考察:本邦の失行に対する作業療法では,評価視点や介入方略は統一されておらず,失行に対する評価や練習・指示様式といった選択肢を理解した上で対象者へ適用するプロセスの明確化が求められる.