日本保健科学学会誌
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クライアント中心の作業療法における叙述データの有用性
山内 寿恵山田 孝
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2005 年 8 巻 2 号 p. 98-104

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抄録

クライアント中心の作業療法である「カナダ作業遂行モデル」に基づく「作業遂行プロセスモデル」による介入を試みた。これはクライアントが問題の優先順位を決め, 行動計画を立て実践し評価するために作業療法士と協業することを目指している。しかし筆者は, 彼らの掲げる問題を解決しても彼らの生活になんら益することがない, あるいは明らかに実現不能な問題に固執するケースも経験し, 協業のあり方について確信が持てずにいる。クライアントの問題が持つ意味を知ることの重要性を認めるが, 評価ツール「カナダ作業遂行測定」ではそれを理解し難いことが多かった。そこで「作業遂行歴面接第2版」を導入したところ, 生活歴叙述がクライアントの人生観や彼らが作業に与える意味を共感する一助となり, 協業のあり方について考察を得たので報告する。

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2005 日本保健科学学会
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