日本保健科学学会誌
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多様な外乱刺激を加えた歩行練習が運動機能に与える影響
塩田 琴美池田 誠
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キーワード: 転倒, 姿勢制御, 高齢者
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2005 年 8 巻 3 号 p. 139-146

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抄録

本研究は, 外乱刺激を加えた歩行練習が運動機能に与える影響について明らかにすることを目的とした。歩行練習の介入方法として, 若年者による歩行練習時の外乱刺激の有無, 高齢者と若年者での歩行速度および外乱刺激強度の漸増的介入の3通りの実験を行い, 各実験での歩行練習前後の運動機能の関連性について検討を行った。その結果, 実験1の歩行練習時に外乱刺激を介入した群では膝関節伸展筋最大筋トルク発揮時間の改善率で有意差を認めた。実験2の歩行速度漸増による実験では, 閉眼片足立位保持時間と膝関節伸展筋筋力にて, 高齢群で有意差を認めた。また, 実験3での刺激強度を漸増させ介入した実験では, 開眼片足立位保持時間と10m最大歩行速度にて高齢群で有意差を認めた。この結果, 外乱刺激を加えた歩行練習は, 姿勢反応の促通に重要である外乱の強さ, 速さの要素に相互作用を生じ, 運動機能の改善効果を認めたと考えられた。

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2005 日本保健科学学会
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