2005 年 8 巻 3 号 p. 147-153
本研究は, 要援護高齢者の主介護者を対象に, 介護負担感と精神的健康の関係を明らかにすることを目的に行った。調査対象は, S県O市に在住し, 平成14年4月1日現在, 要介護認定を受けた第1号被保険者5,189人の要介護高齢者のうち, 協力が得られたその主介護者1,143人とした。介護負担感は「介護負担感指標」で測定した。精神的健康は, 英国版GHQ-12で測定した。介護負担感と精神的健康の関係は構造方程式モデリングで解析した。その結果, 前記の因果関係モデルはデータに適合し, 精神的健康に対する介護負担感の寄与率は66.7%であった。このことは, 要援護高齢者の主介護人の精神的健康を維持・増進するためには, 介護負担感をいかに軽減させるかが課題であることを示唆している。