日本保健科学学会誌
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歩行率変化時における呼吸数コントロールの生体への影響
武田 円山田 拓実小島 肇伊藤 弥生吉田 弥央
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2006 年 8 巻 4 号 p. 220-226

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抄録

【目的】運動強度が定状状態からステップ状に変化すると呼吸数は急激に増加し換気効率が下がる。本研究は定状歩行から1分間ステップ状に歩行速度を増加させた時,呼吸数をコントロールすることにより換気応答を改善できるかを検討した。【方法】健常成人男性9名を対象とし,歩行速度を歩行率80steps/minの速度から歩行率100, 120, 140 steps/minの速度に増加させた。自由呼吸と呼吸数20回/分のコントロール呼吸の2条件で歩行中の呼吸循環反応を比較した。【結果と考察】心拍数,酸素摂取量は条件間で差がなかった。しかしコントロール呼吸で二酸化炭素排出量,および呼気終末二酸化炭素濃度が小さく,分時換気量(VE)が少ない傾向がみられた(いずれもP<0.1)。以上より呼吸コントロールにより歩行時のVEを少なくできる可能性が見出せ,今後呼吸器疾患患者の運動療法への応用を検討していきたい。

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2006 日本保健科学学会
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