日本プロテオーム学会大会要旨集
日本ヒトプロテオーム機構第3回大会
セッションID: S101-20
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XMLを利用したプロテオーム解析Webデータベースの構築
*剣持 聡久吉田 豊宮崎 賢司上條 憲一山本 格次田 晧
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抄録

我々は、研究者間の情報交換がプロテオミクスの発展を推進するものと考え、これまでに、プロテオーム解析データの交換を容易にするデータ記述方法として、XML(Extensible Markup Language)を用いたHUP-ML(Human Proteome Markup Language)を提案し、HUP-MLで記述したプロテオームデータのデータベース化を行ってきた。今回、正常腎糸球体のプロテオーム解析結果として、2次元電気泳動(2-DE)および質量分析により、約200種類のタンパク質を決定できたことから、その結果をデータベースとして構築し、さらに、Webデータベースとして公開した。データベース構築においては、まず、データ作成ツール(HUP-MLエディタ)を用いて、試料の情報、実験プロトコルおよび実験条件、2-DEゲル上のスポット情報、同定されたタンパク質のアノテーション情報等を含むデータを作成した。このHUP-MLデータから、データベースサイト各ページを構成するデータを抽出し、さらに、公共データベースへのリンク機能やCGIによる検索機能を追加して、データベースを構築した。開発したプロテオームWebデータベースは、試料の情報、実験条件、スポットの一覧、2-DE画像、元になっているHUP-MLデータのダウンロード等のメニューを備えている。スポットの一覧ページにおいては、各スポットのタンパク質のアクセッションが公共データベースへのリンクとなっている。2-DE画像上には同定スポットがマーク表示されており、クリックすることによって、pIおよびMWの観測値と理論値、タンパク質名、同定手法等の詳細情報が開く。タンパク質名、公共データベースのアクセッション、pIおよびMWの値、機能分類、関連遺伝子名、および、関連遺伝子のアクセッションをキーとして検索を行う機能も実現した。今後は、腎糸球体疾患例のプロテオーム解析結果をデータベースに追加し、正常プロテオームとの比較を行えるようにすることにより、疾患マーカーの発見、腎疾患の発症機序解明を支えるインフォマティクス基盤を強化していきたい。なお、今回構築したプロテオームデータベースは、以下のアドレスで公開している。http://www.sw.nec.co.jp/bio/.

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© 2005 日本プロテオーム学会(日本ヒトプロテオーム機構)
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