主催: 日本ヒトプロテオーム機構
近年医薬品探索において、最適なスッキャフォールドを見出すフラグメントライブラリーのスクリーニング技術に関心が高まっている。医薬品のターゲットタンパク質に対してアフィニティーの低いフラグメントの同定にはX-ray, NMR解析は有力な技術である。しかしながら、これらの手法はスループットが低く、かつ大量のタンパク質を必要とし、大規模なフラグメントライブラリーの一次スクリーニングには必ずしも適していない。 SPRバイオセンサーを用いると10μgのタンパク質で1日あたり1,400フラグメントのスクリーニングが可能である。アレイタイプのバイオセンサー(例えばBiacore A100)では4つのタンパク質に対して4種類のフラグメントの結合を同時に測定でき、結合の選択性、結合サイトの特異性を確認することができる。この手法を用いるとmM からpMレンジのアフィニティーの測定だけでなく、ターゲットタンパク質上のフラグメントの滞留時間(解離速度)までも求めることができる。実際のフラグメントライブラリーのスクリーニング例を紹介する。