イメージ心理学研究
Online ISSN : 2434-3595
Print ISSN : 1349-1903
原著論文
基本感情と感覚モダリティ及び身体部位イメージ関連性
岡田 敦史 行場 次朗
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2018 年 15 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

感情の違いは,感覚モダリティや身体部位イメージを使って言いあらわされることが多い。本研究では,モダリティ・デファレンシャル法(MD 法)と「ボディイメージ・ロケーション尺度(BIL 尺度)」と呼ぶ評定法を用いて, 基本感情と感覚モダリティイメージおよび身体部位イメージとの関連性について定量的に分析することを試みた。調査協力者(156 名)には,6 つの基本感情(しあわせ,悲しい,恐い,怒り,驚き,嫌い)について,MD 法では10 種の感覚モダリティとの関連の強さを7 段階で評定を求めた。

同様にBIL 尺度では8 箇所の身体部位について関連性の強さの評定を求めた。結果から,MD 法によって,しあわせは味覚と強い関連性を示すことがわかった。BIL 尺度では,6 感情ともに,胸と強い関連性を示した。これらの結果から,MD 法とBIL 尺度は,感情と感覚モダリティイメージや身体部位イメージとの関連性の強弱をプロフィール的に表すことができ,基本感情のそれぞれについて感覚モダリティイメージ特異性と身体部位特異性が明らかにされた。

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© 2018 日本イメージ心理学会
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