ブラインドサッカー選手のイメージ生成に関する事例研究： 後天全盲選手と先天全盲選手の比較

Abstract

本研究では ， ブラインドサッカープレーに関するイメージ生成様態について ，PAC 分析と質問紙法を組み合わ せた手法により ， 後天全盲選手と先天全盲選手を比較して事例的知見と多面的示唆を提出することを目的とした 。 そのために ， 調査対象者は ， 性別 ， 運動経験 ， ブラインドサッカー競技開始時期 ， 練習環境 ， ポジションが共通す る後天全盲選手 1 名と先天全盲選手 1 名とした 。 結果として ， 後天全盲選手は失明以前の視覚的てがかりを使って イメージ生成しようとして視覚記憶から得た情報を使いすぎていたため ， 失明後に得た情報を使ったイメージ生成 の仕方を再構築させる指導が必要なのではないかと考えられた 。 それに対し ， 先天全盲選手は反響や運動感覚を 使った自己概念枠によるストラテジーを使ってイメージを生成していた 。 先天全盲選手の視覚イメージ生成の困難 さには ， 視覚課題の概念形成を促すような指導が勧められた 。 このように ， 本研究の対象であった後天全盲選手と 先天全盲選手では ， イメージ生成の情報源と生成方略 ， イメージ生成指導ポイントが異なると示唆された 。

Translated Abstract

The purpose of this study was to compare acquired and congenital blind players in order to provide case studies and multifaceted suggestions regarding image production in blind soccer play, using a combination of PAC analysis and questionnaire methods. The participants were one acquired blind player and one congenital blind player who shared the same gender, The results indicated that the acquired blind players used too much information from visual memory to generate images using the visual clues they had before their blindness, and that they needed to be taught to reconstruct the way they generated images using the information they had acquired after their blindness. In contrast, the congenitally blind athletes generated images using strategies based on self-concept frames that used echoes and kinesthesia. The congenital blind athletes’ difficulty in generating visual images recommended instruction that encourages the conceptualization of visual tasks. Thus, it was suggested that the information sources, strategies, and instruction for image production differed between the acquired and congenital blind players who were the subjects of this study.

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