2024 年 4 巻 1 号 p. 7-14
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)はANCA関連血管炎に属し,上気道炎が先行し好酸球増多を伴う多彩な臨床像を呈する。前駆症状として鼻副鼻腔炎を呈するが,日常診療で稀なEGPAの特定は困難である。特にEGPAの鼻副鼻腔炎の臨床所見は好酸球性副鼻腔炎(ECRS)と類似する。今回,EGPAの臨床的特徴を明らかにするために検討を行った。2012年1月から2022年9月までに大阪大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診したEGPA症例13例およびECRS症例14例について,その臨床的特徴を後ろ向きに検討した。項目として,血液検査所見(好酸球数,MPO-ANCA/PR3-ANCA,抗核抗体,リウマチ因子,IgE,IgG4),鼻症状と鼻ポリープの有無,副鼻腔CT所見(Lund-Mackay score:LMS),全身症状について調査した。血液検査所見はEGPAで好酸球数,IgE値が有意に高値であり,IgG4値の上昇や抗核抗体,リウマチ因子の陽性例も認めた。鼻症状,鼻ポリープ,LMSはEGPAの方が軽症であった。EGPAの全身症状としては末梢神経障害と肺病変を多く認めた。ECRSの経過途中で特に好酸球数が異常高値となる場合は,EGPAの初期症状である鼻副鼻腔炎を見ている可能性を念頭におくべきである。また,EGPAを疑う際はANCA以外の血液検査所見や全身症状に注意を払うべきである。