特殊バキュームウェル工法の高揚水能力は既報したが、今回従来工法との具体的な揚水量、水位低下量、影響圏半径等の比較値が得られた。工事概要は、茨城県つくば市の鉄道建設の為のドライワーク確保として地下水位を3m低下させる必要があり、当初設計のディープウェル工法の試験揚水を実施したが、揚水量Q=0.026m3/分、5m地点の水位低下量S=0.16m、影響圏半径R=25mと不充分となった。そこで特殊バキュームウェル工法での試験揚水を実施した結果、揚水量Q=0.14m3/分、30m地点の水位低下量S=2.27m、影響圏半径R=120mと圧倒的差異を呈した。これより60m千鳥配置の群井戸として水位低下量S=3.3mと試算された。実施工の結果、水位低下量S=3.5mを達成し、工事は無事円滑に推進された。ここに一事例としてその能力を報告するものである。