抄録
既設の鉄道線路では、従来のバラスト軌道から、省力化軌道へ更新されるケースが近年増加している。その際に、粘性土路盤箇所では、十分な応力履歴(数十年の列車走行)によって、路盤の沈下が収束している箇所においても、省力化軌道への更新に伴い、路盤内の排水性能が低下し、路盤噴泥や路盤陥没を生じた事例がある。これらの現象を解明するため、粘性土路盤上に模型軌道を構築し、その上を列車荷重と同条件の静的移動荷重により、粘性土路盤の挙動を把握した。その結果、路盤内部で局所的に水圧が上昇する個所が発生し、路盤土が泥弱化するという現象が得られた。