奈良県大和平野地区には古くからのため池が多く存在し、池内にたまった堆積土の搬出、提体機能維持のための改修工事を行っている。これらの工事から出る堆積土、旧提体の掘削土を有効利用するため、セメント系固化材により排出された土砂を改良し有効利用する研究を平成9年度より行ってきた。本年度は、開発された工法を用いて実際の池の改修に適用した工事を行なっている。この工事では、長期間の盛土の安定性を把握するため、携帯電話を使用した遠隔監視を実施し、盛土の変位や漏水の監視を行っている。本論文では、改修工事の概要と計測および遠隔監視システムの内容、工事中の計測結果を報告する。