抄録
道路工事などによって発生する切土のり面の一部には、地盤が強酸性を呈し、植物の生育に悪影響を与えることがある。一方、切土の前段階に発生する伐採材については適切かつ効率的な処理方法が未だ確立していない。これらの問題を解決するため、チップクリート緑化工法を開発した。この工法は伐採材を破砕したチップにセメントミルクをコーティングし、のり面に吹き付けることによって、厚さ3cm程度のチップクリート盤を造成し、この上に従来の厚層基材を吹き付けるものである。本報文ではこの工法の概要および試験施工の結果を報告する。