液状化解析において過剰間隙水圧発生のパラメータを設定する場合に、非排水繰り返し三軸試験による載荷した動的せん断応力比と繰り返し回数で表した液状化抵抗曲線を用いている。しかし、原地盤での地震時の作用応力と非排水繰り返し試験時の供試体内の応力状態は異なっている。土質試験結果からは、初期液状化とせん断ひずみγ=7.5%で定義した液状化強度自体にねじりと軸載荷では差異はないものの、液状化に達する過剰間隙水圧の上昇傾向が異なる結果となっている。そこで、原位置での地震時の繰り返し応力状態に近い動的ねじり試験結果と非排水繰り返し三軸試験結果での過剰間隙水圧発生特性の違いが液状化解析に与える影響を検証するため、新潟地震での川岸町アパート付近の地盤モデルを用いてI次元液状化解析の結果比較を行った。その結果、過剰間隙水圧発生の傾向を変化させると応答値にも差異が認められ、液状化解析における間隙水圧発生モデル設定時には補正が必要である結論が得られた。