抄録
沖縄本島中南部地域には第三紀の軟質な堆積岩である島尻層群が分布している。近年、沖縄本島南部の開発が進み、本島南部に広く分布する与那原泥岩とは別に第三紀~第四紀に堆積した島尻層群で最も新しい新里泥岩がしばしば問題となってきた。新里泥岩に関する研究成果は少ない状況にある。このため、本報告では個々の業務や工事で実施された原位置試験や室内試験のデータを収集し、与那原泥岩と新里泥岩の一軸圧縮強さと物理定数との関係や換算N値と変形係数の関係を検討した。新里泥岩は与那原泥岩より強度が低く変形量が大きいということが明らかになり今後の基礎工学的評価に関わってくるものと考える。