抄録
模型実験において土構造物の安定性や地盤の応力-ひずみ関係を把握するためには、地盤や構造物の変形量を精度良く計測することが重要となる。従来はこれらを変位計によって計測してきたが、変位計の大きさや測定チャンネル数の制限から変形量を多面的に計測できなかった。以上を考慮して本研究ではCCDカメラを用いた画像解析システムを開発し、その精度検証を行なった。その結果、本システムは高い精度を有し、従来は測定困難であった地盤の2次元的変形挙動を定量的に計測することが可能となった。さらに本システムを擁壁に関する模型実験に適用することによって、背面地盤のすべり面発生状況や、すべり面周辺での砂粒子運動の可視化を行なった。