抄録
廃タイヤの地盤工学における有効利用の可能性として、廃タイヤをチップス状にし、地盤材料として使用することが考えられる。本研究では、三軸試験によってタイヤチップスの非排水せん断特性を把握した。とくに、主応力の反転の影響に注目し試験を行った。その結果を豊浦砂の挙動と比較し、タイヤチップスのせん断挙動を考察した。以下に得られた知見を示す。1)豊浦砂の場合、圧縮・伸張側ともにせん断開始直後から過剰間隙水圧が発生し、粒子のかみ合わせが増え、過剰間隙水圧が減少するのに対して、タイヤチップスの場合は、圧縮・伸張側ともにせん断が進むにつれ、ゆっくりと過剰間隙水圧が発生する。この要因に、粒子の圧縮が考えられる。