2003年5月26日に発生した三陸南地震により,東北新幹線の高架橋が損傷を受けた.被害原因の一つとして,高架橋被害地点付近における地盤挙動の影響により,地震動が増幅されたことが考えられる.本研究では,最も被害の大きかった第5猪鼻高架橋における地盤条件に着目した.まず,東北新幹線地質図を用いて,被害地点付近の地盤特性を整理し,次に詳細な地盤特性を把握するため,被害地点においてボーリング調査を行った.得られた地盤特性を用いて地盤のモデル化を行い,Kik-netで観測された基盤波を用いて地盤の動的解析を行った.その結果,橋脚の固有周期に近い地震波の周期成分が大幅に増幅されることがわかった.