抄録
東大阪地盤の沖積層は、鋭敏粘土が幅広く分布しており、工学的に重要な研究課題となっている。鋭敏粘土層は、生成上で大きく、海成粘土層、淡成粘土層、海成粘土の塩分溶脱(リーチング)が生じた粘土層に区分される。これらの粘土層の分布や土質力学挙動で調査研究が必要とされているところである。本研究では、東大阪地盤の3ヵ所(大阪市城東区1ヶ所および大東市2ヵ所)の沖積粘土層の試料採取を行い、塩分濃度、強熱減量、一軸圧縮強度(鋭敏比)、液性限界・塑性限界の各種試験を行った。これらの試験結果と既存データとの比較検討を含め、東大阪地盤の土質特性を考察する。