抄録
地山補強土工法はその施工性の簡便さと安定性の高さから,自然斜面,切土斜面を問わず数多く用いられるようになっている,最近注目を浴びている性能設計への適応を視野に入れた設計法の開発研究が必要となるものと考えられる.そこで,本研究では以下の3点を目的として,有限要素法の結果から考察を行うことにする.目的(1):棒状補強材による変形拘束効果の発生メカニズムを検討する.目的(2):変形拘束効果の発生に及ぼす地盤の内部摩擦角の影響を考察する.目的(3):変形拘束効果発生のための補強材打設量の決定手法を提示するとともに,変形量と変形拘束効果との関係について検討を行う.