耳鼻と臨床
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原著
スギ花粉症に対するプランルカスト初期療法の有用性
宮之原 郁代松根 彰志大堀 純一郎黒野 祐一
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キーワード: 初期療法
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2009 年 55 巻 1 号 p. 31-38

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抄録
スギ花粉症患者 29 例を対象に、プランルカストによる初期療法の有用性について初期療法群と飛散後治療群の 2 群に分類し比較検討した。初期療法群で、飛散開始期ではすべての鼻症状が、そして medication score、symptom medication score は、飛散開始期と最盛飛散期で有意に抑制された。また、quality of life (QOL) では、戸外活動、社会生活、睡眠において、シーズンを通して初期療法群のスコアが有意に低く、初期療法におけるプランルカストの有用性が示された。さらに、花粉飛散開始日までに 1 週間程度の初期療法の期間があれば、十分な効果が認められた。一方、プランルカスト初期療法が有効なグループと効果が出にくいグループがあることも示唆された。よって、プランルカストは、スギ花粉症に対する初期療法薬として、鼻症状全般に効果があり、特に夜間の鼻閉を改善させ、QOL を改善させる効果が期待できる。ただし、実際の使用に際しては、対象症例をある程度選択することが必要と思われた。
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© 2009 耳鼻と臨床会
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