2009 年 55 巻 1 号 p. 39-45
通年性アレルギー性鼻炎の患者を対象として患者アンケートを行い、1 日1 回、または 1 日 2 回投与の薬剤の服薬コンプライアンスと服薬コンプライアンスに影響を与える因子について検討を行った。1 日 1 回群、1 日 2 回群とも良好な服薬コンプライアンスが得られ有意な差は認められなかった。また、アンケートを詳細に検討すると、若年層で服薬コンプライアンスの低下が認められた。また、服薬の時間帯では朝食後の飲み忘れは女性に多く、夕食後・就寝前の飲み忘れは男性に多い傾向が認められた。朝のコンプライアンス低下の理由は、「忙しい」「朝食を取らない」などであり、夜は「飲酒」「外食」などが挙げられた。服薬コンプライアンスを上げることは疾患の管理には重要なことであるが、そのためには、1 日 1 回、または 1 日 2 回にこだわるのではなく、患者のライフスタイルを考えた薬剤の選択や服薬指導が重要と考えられた。