2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S20-S26
concurrent chemoradiotherapy (CCRT) 後の planned neck dissection (PND) がquality of life (QOL) にもたらす影響、特に頸部症状や上肢挙上度、治療後の患者満足度について、アンケートを用いて CCRT 症例と比較検討した。郭清範囲を転移陽性領域中心に限局して行い、胸鎖乳突筋、副神経、内頸静脈を可能な限り温存して PND を施行した症例を PND 群、CCRT 施行後に PND を施行しなかった症例を CCRT 群とした。PND 群では CCRT 群と比較して、肩や首の硬さ、締め付け感、しびれ、外観の変化、肩の下がりなどの項目で有意に劣る結果であったが、上肢挙上度に有意差はなかった。また PND 施行側の比較では、利き腕側施行群で非利き腕側施行群よりも満足度が低い傾向が認められた。