耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
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I. 早期中咽頭癌 (T1、T2) の治療
T1 - T2 中咽頭癌に対する手術治療について
大上 研二杉本 良介酒井 昭博戎本 浩史槙 大輔飯田 政弘
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2010 年 56 巻 Suppl.1 号 p. S3-S11

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抄録
NCCN ガイドラインでは T1-2、N0-1 中咽頭癌に対する治療は根治照射、原発巣切除と頸部郭清、および化学放射線治療 ( T2、N1 のみに適応 ) の三つである。われわれは T1-2、N0-1 中咽頭癌の手術適応と手術アプローチについて報告した。2000 年から 2009 年までの 10 年間に 28 例の T1-2、N0-1 中咽頭癌が当科で治療された。14例は手術 (TLO 6 例、lower cheek flap approach 7 例、mandibular swing approach 1 例) で、14 例は放射線治療を行った。手術適応は原発部位による放射線感受性と浸潤範囲で決定した。5 年疾患特異的生存率は手術群 100%、放射線治療群 69%であった。発生部位による放射線感受性の予測と手術適応の選択、そして低侵襲手術や Gehanno 法での再建手術について考察した。
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© 2010 耳鼻と臨床会
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