耳鼻と臨床
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II. 次世代の側頭骨外科手術の開発
STAMP 法による耳科ナビゲーション手術の実際
小宗 静男
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2011 年 57 巻 Suppl.1 号 p. S65-S71

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抄録

われわれが開発した STAMP 法は、ほぼ無侵襲の状態から側頭骨浅部で高精度を維持できるナビゲーション下側頭骨手術を可能とした。そこで定型的な側頭骨浅部手術として人工内耳埋込術、聴神経腫瘍摘出術、側頭骨部分切除術を選び、実手術において STAMP 法の有用性の検討を試みた。いずれの手術でも比較的良好な精度を得ることができたが、とりわけ低侵襲が求められる小児人工内耳症例では有用であった。また、それほど困難を予想していない手術であっても、低侵襲ゆえルーチンに近い形でナビゲーション手術の準備をすることができた。困難を予想した症例を選んで行うナビゲーション手術ではなく、予想できなかった困難に遭遇した際にも役立つよう、安全装置としてルーチンにナビゲーション手術の準備を行うことが STAMP 法であれば可能と考えられた。

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© 2011 耳鼻と臨床会
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