耳鼻と臨床
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原著
メニエール病難治例に対するステロイドホルモン剤の選択について
柴崎 修水野 正浩伊藤 彰紀
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2012 年 58 巻 4 号 p. 143-148

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抄録

めまい発作を反復するメニエール病難治例に対して、ステロイドホルモン剤の変更がめまい発作の抑制に有効であった 4例を経験した。いずれもプレドニゾロンからデキサメタゾンへの変更によってめまい発作が抑制された。ステロイドホルモン剤の使用にあたっては、副腎不全など副作用の発生に注意しなければならないが、今回の症例では明らかな副作用は確認されなかった。めまい発作を反復するメニエール病難治例に対しては、ゲンタマイシン鼓室内注入や内リンパ嚢開放術、前庭神経切断術などの観血的治療が推奨されているが、これらの治療を行う前に、ステロイドホルモン剤の慎重な投与と長時間作用型ステロイドへの変更についても、検討してみる必要があると考える。

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© 2012 耳鼻と臨床会
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