耳鼻と臨床
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原著
clavulanic acid/amoxicillin ( 1 : 14) が無効の小児重症急性鼻副鼻腔炎に対する cefditoren pivoxil 高用量の有用性
冨山 道夫
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2012 年 58 巻 6 号 p. 292-301

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抄録
急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010 年版で重症と判定された小児急性鼻副鼻腔炎症例に clavulanic acid/amoxicillin (1 : 14) (CVA/AMPC〔1 : 14〕)を 5 日間投与し、これが無効であった 194 名を対象として cefditoren pivoxil (CDTR-PI) 高用量 (18 mg/kg/日) の有用性を検討した。CDTR-PI 高用量の投与期間は 5 日間で有効例は 177 名 (91%)であった。細菌学的検討では、粘膿性鼻汁より 288 株検出され、S.pneumoniae 65 株 (23%)、H.influenzae 169 株 (59%) とこれらの 2 菌種で 82%を占めた。CDTR の MIC90S. pneumoniaeH.influenzaeともに0.5μg/mlであった。無効例 17 名 ( 9 %) はすべて H. influenzae 検出例であり、azithromycin 3 日間投与および鼻処置を連日行うことにより治癒した。副作用は下痢を 21 名 (11%)に認められた。CVA/AMPC ( 1 : 14) 無効の重症急性鼻副鼻腔炎に対して、CDTR-PI 高用量投与は有用であると思われた。
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© 2012 耳鼻と臨床会
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