抄録
上咽頭に細菌感染を合併した A 型インフルエンザウイルス感染症の 2 例を経験した。いずれの症例もインフルエンザの迅速診断で A 型インフルエンザウイルス陽性、内視鏡検査で中咽頭に炎症所見は認めないが上咽頭に発赤と膿を認めた。血液検査で好中球数優位の白血球数上昇、上咽頭の細菌検査で Haemophilus parainfluenzae が 5 +検出され上咽頭に細菌感染を合併した A 型インフルエンザウイルス感染症と診断した。2 例ともに中咽頭所見は正常で咽頭痛は高度ではなく、日常臨床においては抗インフルエンザ薬の投与のみで経過観察される可能性のある症例である。自覚症状、全身所見よりインフルエンザと考えられても、咽頭痛を訴える場合はインフルエンザの迅速診断のみでなく上咽頭の細菌感染の合併を念頭におき内視鏡検査を行う必要があると思われた。