抄録
副甲状腺腺腫に対する外科的切除を施行したところ、Hungry bone syndrome を来した症例を経験した。症例は 43 歳、女性。感冒様症状のため近医を受診した際、高カルシウム(Ca)血症、高リン(P)血症を指摘された。精査の結果、原発性甲状腺機能亢進症、原発性副甲状腺機能亢進症の診断にて治療目的に当科紹介。甲状腺全摘術、副甲状腺全摘術と副甲状腺移植術を行った。病理診断は、バセドウ病と副甲状腺腺腫であった。手術後に低 Ca 血症の遷延を認め、Hungry bone syndrome と診断し、術後 2 カ月間にわたるカルシウム製剤の投与が必要であった。副甲状腺機能亢進症に対する手術治療を行う際には Hungry bone syndrome も念頭に置き、早期診断を行うことが重要と考えられた。