抄録
結核は、今現在も日常診療で遭遇する疾患であり、時には診断や治療に難渋し、また集団感染や院内感染など公衆衛生上も問題となることが少なくない疾患である。肺外結核の中で最も頻度の高いものはリンパ節結核であり、リンパ節結核の約 70%が頸部に出現するとされており、頸部リンパ節結核の患者が耳鼻咽喉科医を初診することが十分に考えられる。今回われわれは、2009 年 4 月から 2014 年 4 月までの過去 5 年間に鹿児島医療センターを受診し、頸部リンパ節結核と診断し得た 6 例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。性別は男性 1 名、女性 5 名で年齢は 36−83 歳までであり、これらの症例において、①既往歴および病悩期間、②画像所見、③リンパ節穿刺吸引の結果についてまとめた。早期診断、早期治療のためにも、頸部リンパ節が腫脹した患者を診察した際には、頸部リンパ節結核を念頭に置くことが重要であると考えられた。