抄録
小児の慢性中耳炎に対する鼓室形成術では、手術の時期について統一した見解が得られていない。われわれは当科で鼓室形成術Ⅰ型を施行した 15 歳以下の症例を対象に、年齢と鼓膜穿孔閉鎖率、術後聴力との関連について検討した。小児の慢性中耳炎に対する鼓室形成術では小児の耳管機能や、急性上気道炎、滲出性中耳炎などの罹患率を考慮し、待機可能な症例は 10 歳を目安に待機することが望ましい。また、耳漏を主訴とする症例は術前に炎症コントロールを行ってから手術に望むべきであるが、その際は菌検査を行った上で鼓室洗浄を行い、コントロールが不良であれば抗菌薬の点耳を行うことが推奨される。