抄録
陳旧性側頭骨骨折症例で迷路気腫を伴う外リンパ瘻が生じた症例を経験した。鼻かみ直後よりめまいと左難聴を自覚し、30 代男性が来院した。20 年前に頭部外傷による左側頭骨骨折の既往があった。標準純音聴力検査で左に 53dB の混合難聴と右向き水平回旋混合性眼振がみられ、側頭骨 CT にて左側頭骨骨折と卵形嚢に low density area を認めた。 発症 13 日目に内耳窓閉鎖術を施行した。外側半規管隆起から前半規管のやや外側を横断し顔面神経水平部近傍までの連続する骨折線が認められ、内耳窓閉鎖術を行った。術後、前庭症状は消失したが、一時的な聴力の悪化を認めた。しかし、聴力は徐々に回復し、6 カ月後に 33 dB まで改善した。