小児の急性副鼻腔炎の重篤な合併症として頭蓋内合併症と眼窩内合併症がある。重度の後遺症や生命にかかわる重篤な病態であり、速やかな外科的治療を要することも多いが、明確なガイドラインはない。急性副鼻腔炎に眼窩骨膜下膿瘍と頭蓋内硬膜外膿瘍を合併した 9 歳の男児例を経験した。来院時に左眼球は突出して開眼不能で高度眼球運動障害を認めた。単純 CT と造影 MRI で左副鼻腔炎と左眼窩骨膜下膿瘍(上側)と前頭蓋底に気泡を伴う小さな頭蓋内硬膜外膿瘍を認めた。緊急で外切開による排膿と内視鏡下副鼻腔手術を行い、眼症状は速やかに改善・完治した。中枢神経症状はなく、頭蓋内硬膜外膿瘍に対しては保存的治療を選択した。鼻汁からは Streptococcus Anginosus が検出され、頭蓋内硬膜外膿瘍内の気泡の存在から嫌気性菌感染も疑われたため、Ampicillin(ABPC)と Metronidazole(MNZ)を投与し、硬膜外膿瘍も消失した。