小児の蝶形骨洞由来の巨大後鼻孔ポリープの症例を経験した。症例は 14 歳、女性。鼻閉、運動時の呼吸苦、嚥下障害のため当科受診となった。鼻内視鏡、CT から蝶形骨洞自然口に基部を有する巨大後鼻孔ポリープと診断した。全身麻酔下に内視鏡下鼻内手術を行い、ポリープを切除し、術後鼻閉、運動時の呼吸苦、嚥下障害は改善した。術後 4 年を経過したが現在のところ再発を認めていない。小児の巨大な後鼻孔ポリープのため手術加療となったが、ポリープの基部が蝶形骨洞自然口にあり、呼吸苦や嚥下困難を伴っていたことが極めてまれであると考えた。