2023 年 69 巻 2 号 p. 116-123
症例は 18 歳、男性。3 年前に意識消失を伴うてんかん発作を発症、その後薬物治療を行うもてんかん発作を繰り返す状態であった。画像検査で中頭蓋窩から蝶形骨洞側窩に陥入する側頭葉の髄膜脳瘤を指摘され、側頭葉てんかんの焦点と考えられたため髄膜脳瘤切除目的に当院入院となった。経鼻内視鏡下に蝶形骨側窩の髄膜脳瘤を切除し、その後、有茎中鼻甲介粘膜弁を用いて多層での頭蓋底再建を行った。術後、てんかん発作は消失、髄液漏や創部の合併症なく経過している。蝶形骨洞側窩のように蝶口蓋孔近傍で限局した箇所であれば鼻中隔粘膜弁でなくても中鼻甲介粘膜弁での代用が可能で、minimal transpterygoid approach を用い、さらに蝶口蓋動脈とその分枝である中鼻甲介動脈を温存することで頭蓋底再建時に中鼻甲介粘膜弁の利用が可能となった。