ゴーハム病は全身の骨が融解してリンパ管組織に置き換わることによりさまざまな症状を来す疾患である。側頭骨の病変により聴覚障害を来したゴーハム病の小児 3 例を経験した。耳小骨の骨破壊によるものや、頭蓋底の骨破壊により生じた髄液漏で伝音難聴を来した症例や、内耳道周囲の骨破壊により生じた感音難聴症例と、3 例で骨破壊部位がそれぞれ異なった。ゴーハム病と診断されて経過観察していた患者の聴力が低下を来してから耳鼻咽喉科を初めて受診する場合もあり、有症状になる前から定期的に聴力の経過をみることで病勢をいち早く把握することができる可能性もある。ゴーハム病と診断された場合は定期的な側頭骨 CT 検査と聴力検査が必要と考える。