耳鼻と臨床
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症例報告
嚥下障害を主訴とした早期食道癌合併 Plummer-Vinson 症候群の 1 例
藤田 尚晃福田 裕次郎三宅 宏徳原 浩貴
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2023 年 69 巻 4 号 p. 318-324

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抄録

Plummer-Vinson 症候群は、鉄欠乏性貧血に舌炎、嚥下障害を伴う疾患である。今回報告した症例は 48 歳、女性で、1 年前から徐々に進行する嚥下困難感を認めていた。初診時所見で眼瞼結膜の蒼白化と舌乳頭の萎縮を認め、鉄欠乏性貧血の存在を疑った。嚥下障害の増悪を認めるも喉頭知覚低下や咽頭クリアランスが保たれていることから食道期の嚥下障害を疑った。上部消化管内視鏡検査と食道造影の結果より、下部食道の上皮内癌を伴う Plummer-Vinson 症候群と診断した。鉄剤投与後 2 カ月で貧血は改善し、食道 Web 消退と嚥下障害の改善がみられた。治療 6 カ月後に内視鏡的粘膜下層剝離術を行い、早期食道癌と診断した。Plummer-Vinson 症候群において悪性腫瘍が合併することが知られ、耳鼻咽喉科頭頸部外科領域の診察にとどまらず、上部消化管内視鏡検査の依頼のほか、必要に応じて他科と連携して、定期フォローを行う必要がある。

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© 2023 耳鼻と臨床会
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