耳鼻と臨床
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症例報告
Strawberry gum が初発症状となり診断に至った多発血管炎性肉芽腫症の 1 例
藤原 義宜大橋 充中川 尚志
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2023 年 69 巻 4 号 p. 325-331

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抄録

多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis;GPA)は上気道や肺の壊死性肉芽腫性血管炎、糸球体腎炎、中・小血管の血管炎を臨床病理的特徴とする疾患である。 本疾患の初発症状が上気道に高頻度で認められることから、耳鼻咽喉科医がその診断や治療に重要な役割を担う。口腔内症状が出現することはまれとされているが、歯肉には strawberry gum と称される本疾患に特徴的な病変を生じることが知られている。今回われわれは strawberry gum が初発症状となり GPA の早期診断に至った症例を経験したため報告する。症例は 24 歳、女性。2 週間続く歯肉の腫脹を主訴に、近医歯科より当院を紹介受診された。歯肉に特徴的な点状出血を伴う腫脹を認め、strawberry gum の所見と考えた。さらに鼻前庭に粘膜炎症、CT で肺結節陰影を認め、歯肉生検の結果、GPA の診断に至り、ステロイドと免疫抑制剤の併用療法で改善に至った。特徴的な歯肉病変である strawberry gum が GPA の早期診断に重要な手掛かりとなった。日常診療において着目すべき所見であると考える。

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