2024 年 70 巻 5 号 p. 293-298
ラリンジアルマスク(laryngeal mask airway;LMA)は、1983 年 Brain によって初めて報告された気道確保の方法であり、現在挿管困難や救急蘇生などの気道確保に極めて有用な器具として、臨床応用されている。喉頭内損傷が少ないとされている LMA を用いた気道確保後に右披裂軟骨脱臼を来した症例を経験した。術後(受傷後)25 日目に全身麻酔下に右披裂軟骨脱臼整復術を施行し、良好な結果を得た。披裂軟骨脱臼の成因の多くは気管挿管をはじめとする医原性であることや、経過とともに不可逆的変化を来す可能性があることから、早期診断および早期治療介入が重要と考える。