2025 年 71 巻 4 号 p. 199-204
症例は51歳、女性。右上腕痛を主訴に受診し、CTで右上腕骨の転移性骨腫瘍による病的骨折を指摘された。精査の結果左耳下腺腺様嚢胞癌、充実型cT3N3bM1 Stage Ⅳ Cと診断された。免疫染色ではHER2発現は陰性であった。遺伝子パネル検査では免疫チェックポイント阻害薬が推奨され、ペムブロリズマブ投与を開始した。初回投与から108日目に強い全身倦怠感と経口摂取不良のため来院し、劇症1型糖尿病の診断で緊急入院した。さらに入院中の経過に甲状腺機能低下症、間質性腎炎を認め、これらはペムブロリズマブによる免疫関連有害事象(irAE)が考えられた。免疫チェックポイント阻害薬使用にあたっては常にirAEの可能性を考慮し各診療科間で連携しながら治療にあたることが重要である。