耳鼻と臨床
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尋常性天疱瘡Pemphigus vulgarisに伴う粘膜病変〔耳鼻咽喉科学図譜〕
調 賢哉宮城 平松下 英明
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1972 年 18 巻 1 号 p. 54-55

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抄録
日常診療においてしばしば難治性の口内炎に遭遇する. 一方, 口内炎は単に局所的疾患としてのみでなく, 全身的疾患の部分症状として, また初発症状としてしばしば現われる. 私共は最近, 難治性の口内炎として治療していた症例で皮膚に水疱形成が現われて始めてPemphigus vulgarisと診断がついた症例に遭遇したが, 後で反省してみると最初からこの口内の病変はMundschleimhaut-pemphigus vulgarisとしての特徴を充分に有しておりPemphigusに対する充分な知識さえあれば, 病変が口腔内に限局している時期に診断が可能であつたのにと残念に思った. R. KIRSTEIN1によればPemphigus vulgarisはその2/3は口腔内粘膜病変で始まる. Mundschleimhaut-pemphigusの時期に診断を下す事は可能であり, Pemphigusの予後は早期に診断し, 早期に治療を始める程よいという.
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