脳神経外科ジャーナル
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原著
3D-CTAによる錐体尖部の骨構造と静脈洞のvariationの検討
原 敬二瀬尾 善宣野呂 秀策前田 理名伊東 民雄尾野 英俊中村 博彦
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2016 年 25 巻 5 号 p. 438-444

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抄録
 Cadaver dissectionや画像診断により錐体尖部近傍の解剖学的研究は数多く報告されてきた. 今回われわれは3D-CTAとMRI (CISS) を用い, 三叉神経圧痕つまりMeckel’s caveの周囲の骨構造, SPSの走行, Dorello’s canalの走行について検討した. 対象は57例 (男性18例, 女性39例 平均年齢57.8歳). 内訳は髄膜腫29例, 神経鞘腫21例, その他7例. 手術例の健側が基本で, 聴神経腫瘍など構造に影響のない症例では患側も検討した. 注意すべきは, Meckel’s caveを包むように骨性ridgeが存在する症例があること, SPSはcaveの下を通ることもあること, さらにDorello’s canalは3D-CTA上, 必ずしもbasilar plexusやIPSに包まれていないことである. これらはanterior petrosectomyをより安全に行える一助となる.
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© 2016 日本脳神経外科コングレス

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